受賞歴多数、今治在住のパラアーティスト 藤原大輝氏 個展 ダウン症と向き合い絵を通して社会で生きる「藤原大輝展」

来島会は、2025年10月19日(日)/20日(月)/25日(土)/26日(日)/27日(月)の日程で、コミュニティスペース「だんだんBASE」ギャラリーにて、版画家・藤原大輝さんによる個展『藤原大輝展~大輝のまわりにあふれる愛〜』を開催いたします。

展覧会のポイント

1. 受賞歴多数、障がいを力に変える独創的な表現

ダウン症を抱える藤原大輝さんは、今治特別支援学校高等部を卒業後、18歳の頃から当法人が運営する支援施設に通所しています。現在は当法人が運営する「多機能型事業所 ふきあげワークス」の利用者として軍手の検品作業に従事するかたわら、精力的に制作活動を続けてきました。力強く独創的な作風で、数々のコンペティションで受賞歴を持つ注目のパラアーティストです。

2. 作品の裏側にある「人とのつながり」に光を当てる

本展は、創作活動の背後にある「人とのつながり」に焦点を当て、彼の人生を支え、支えられてきた家族、恩師、支援者、ファンなど6人の語り手が藤原さんとのエピソードをパネルで紹介するとともに、それぞれの好きな作品・印象深い作品を1点ずつ(お一人のみ2点)計7点を展示します。なかには個人所有のため、外部初公開となる作品もあります。

3. 絵を通じて社会で生きる、モデルケースとしての提示

周囲の人々の言葉を通して、彼そして彼の作品の本当の魅力と、作品に込められた出会いや感情の動きが立体的に浮かび上がります。本展は、単なるアート展に留まらず、「絵を通じて社会の中で生きる」藤原大輝さんの姿、そして障がいを持つ方が社会と関わる上での一つのモデルケースを提示する貴重な機会となるはずです。

開催概要

日時: 2025年10月19日(日)/20日(月)/25日(土)/26日(日)/27日(月)の10:00〜15:00
場所: だんだんBASEギャラリー(今治市高市甲161番地3)
会場アクセス:今治駅から車で約15分。当日は敷地内の駐車場をご利用ください。

「藤原大輝展」の見どころ

本展の大きな特徴は、「一人の才能」「障がい者アート」という枠を越え、人との関わりから生まれるアートの姿を提示している点です。作品や藤原さんが才能を開花させた背景には、家族や恩師、支援者、そしてファンといった多様な人々の存在があり、それぞれの言葉や作品解説を通じて、藤原さんの表現がどのように育まれてきたのかを浮かび上がらせます。そこには単なる支援や励ましを超えた、深い「愛の物語」が刻まれています。

また会場では、来場者自身が「自分にとって大切な人」を自然と思い浮かべられるような仕掛けも用意しており、鑑賞を通じてアートと人との関係を自らの人生に引き寄せて考える体験ができることも本展の見どころです。

藤原大輝さんを語る6人

【藤原大輝さんの母・藤原君江さん】
作品づくりに向き合う姿は、家族にとって救いであり喜びそのものです

恩師・八和田先生との再会が再び創作へ向かう大きな転機となり、八和田先生の絵画教室は、大輝にとってかけがえのない「特別な場所」です。普段家では見せない、版画の創作に没頭する姿を見るたび、私は救われるような気持ちになります。

【恩師 八和田輝文さん(八和田絵画教室(今治市阿方)】
作品づくりは”生きる力”そのもの

彼にとって作品を作ること、表現すること自体が、食事をしたり呼吸をしたりするのと同じくらい、「生きる力」そのものです。他者からの評価に執着せず、ただ純粋に創作の喜びに身を委ねる―アートが人間にとって根源的なものであると改めて教えられます。創作を通じて得る周囲の愛情や支えが、生きる喜びになると彼は体現しています。

【藤原大輝さんのファン 佐藤信さん】
彼の本質的な優しさに惹かれ、私にとって年の離れた弟のような存在

ある時、私が絵画教室にパンの差し入れを持っていくと、大輝さんは自分の分を一つだけ取り、残りを皆に配りました。そして、みんながパンを手に喜んでいる姿を、本当に嬉しそうに見ていました。周りの喜びが、彼自身の喜びになる。大輝さんの魅力は、作品の素晴らしさはもちろんのこと、その人間性にあります。

【近藤郁子さん(来島会職員・多機能型事業所ふきあげワークス 支援員)】
アートが彼の言葉であり、可能性を示す存在

大輝さんの作品は、言葉で伝えるのが苦手な彼自身の「声」なのだと思います。

想像を絶するような根気のいる創作作業、そこから生まれる作品の力強さ、ダイナミックな構図、そして独特の色彩は、見る人の心を直接揺さぶります。彼の作品を通して、障がいのある人の持つ無限の可能性や特性を、多くの人に感じてもらえるはずです。

【秦修一さん(来島会職員・多機能型事業所ふきあげワークス マネージャー)】
支援によって生まれる安心と体験の場が、彼の作品へと昇華していく喜び

私たち「ふきあげワークス」の役割は、彼に特別な何かを提供することではなく、彼が安心して過ごせる「居場所」であること、そして「体験の機会」を共に分かち合うことです。創作の源泉が彼自身の「体験」にあると知ってから、私たちの支援の在り方も明確になりました。そのプロセスを間近で見られることは、私たち支援者にとっても大きな喜びです。

【重松理恵さん(来島会職員・なかよし学童くらぶ マネージャー)】
私にとって大輝さんは、自分を外の世界へと連れ出してくれる存在

彼の作品が展示されると聞けば、普段は出不精な私でも「行ってみよう」という気持ちになります。彼の作品を追いかけることで私の行動範囲は広がり、新たな人との出会いや経験に繋がっています。

作者・藤原大輝さんについて

昭和62年3月25日生まれ、38歳。今治特別支援学校高等部で美術部に入部、恩師・八和田輝文さんと出会い、版画の魅力に目覚め制作をスタート。卒業後は一時制作から離れるも、すでに高校教員を退職し、八和田絵画教室(今治市阿方)を開いていた八和田さんとの再会を機に創作を再開。以降、その力強く独創的な作品は多くの人を魅了し、国内外で注目を集めてきました。

▼主な受賞歴
愛顔ひろがるえひめの障がい者アート展 特選(2019)
第1回アートパラ深川 審査員特別賞・別所哲也賞(2020)
アートパラ深川メインビジュアル大賞 入選(2021)
愛顔ひろがるえひめの障がい者アート展 佳作(2021)
愛媛障がい者アートデザインコンペ 最優秀賞(2022)
東北障がい者アート 共生医学賞(2022)
アートパラ深川メインビジュアル大賞 入選(2022)
今治フジ小泉店宝くじ売り場にて里山スタジアムの版画が採用
第1回「BiG-i×Bunkamura アートプロジェクト」 入選(2024)
愛媛美術協会秋季県展 版画部門10回入選 洋画部門2回入選 洋画部門推奨受賞(2024)

藤原さんのコメント

企画展、とても楽しみにしています。
多くの方に見ていただきたいです。50万人くらいの方に見ていただけたらと思っています。

展示会開催への思い

私たち来島会は、障がいの有無にかかわらず、個人の表現が社会を照らし出すものとして受容されることを目指しています。藤原大輝さんの版画作品は、その力強い線、大胆な構図、色彩の豊かさ、インクのかすれや滲みなどが調和し、唯一無二の芸術として多方面から評価されています。

本展では、作家本人の作品と並行して、その背後にある家族、恩師、支援者、ファンといったコミュニティの視点を取り上げます。ひとりのアーティストが才能を発揮する過程を、支える人々の言葉や選んだ作品を通して提示することで、「アート×障がい×社会の関わり」を感じていただける試みです。

わたしたち来島会が担う役割も、単なる生活支援や福祉的包摂にとどまりません。今回の開催場所である「だんだんBASE」では、地域に暮らす様々な方の表現を社会に送り出すことで、社会とのつながりを生み出す「文化的インフラ」としての役割も担っていけたらと考えています。

<「だんだんBASEギャラリーシリーズ」今後の開催スケジュール>
・2025年12月:コミカルイラスト展
・2026年2月:  世界の国旗展

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