まだじりじりと厳しい日差しが残る、とある夏休みの夕方16時。「コミュニティビレッジきとなる(以下、きとなる)」も位置する「アシックス里山スタジアム」の畑には、元気に駆け寄る子どもたちの姿がありました。
この日は、FC今治が毎週開催している「みんなでお世話デー」の一日。月に一度、放課後等デイサービス「らびっつ」の子どもたちと職員も参加し、FC今治のスタッフや地域ボランティアの皆さんと一緒に畑のお世話をしています。

🐛 夢中で収穫!……と思いきや、バッタ捕り?
今回で3回目となった、らびっつの子どもたちによるお世話デー。この日は初めて、夏野菜の収穫をさせていただきました!
「見て!赤くなってる!」「これ大きいよ!」
青々とした葉の陰から顔を出すミニトマト、立派に育ったキュウリやオクラ。子どもたちは目をキラキラさせながら、一生懸命に手を伸ばして収穫を楽しんでいました。
「これ採っていい?」
「もう少し大きくなってからかな。」
「どれくらい?指で教えて!」
FC今治のスタッフとそんなやり取りを交わしながら、自分で見極めようとする子どもたち。

…とはいえ、畑では予定どおりに進まないのも子どもたちらしさ。
気が付けば、草むらから飛び出したバッタを追いかける子、夢中で土を掘り返す子、それぞれが思い思いに自然と向き合っています。
どこまでも青い夏空の下、暑さなんてお構いなし!一人ひとりの「やってみたい」が自由に広がっていました。

🥬 なぜFC今治と来島会が一緒に畑を?
この「みんなでお世話デー」は、FC今治が地域に向けて開いている取り組みです。FC今治の里山スタジアム統括グループ・遠藤政樹さんは、「らびっつ」と一緒に作業をする理由をこう語ってくれました。
「過去にもスタジアムで来島会が作られていた畑が見事で、ぜひその知見をお借りしたかったんです。それに、何より『せっかくすぐ近くにいるのだから、一緒に何かやりたい!』という想いがあって声をかけさせてもらいました」
スタジアムの畑。一見すると不思議な場所で、お互いの得意なことを持ち寄り、ご近所同士だからこそできる挑戦を楽しんでいます。

「らびっつ」管理者の大沢麻紀子さんは、畑仕事には子どもたちの成長につながる学びがたくさん詰まっていると話します。
「実は『草抜き』って、子どもたちにとっては意外と難しい作業なんです。何を抜いて良くて何を残すのか、どこまでやれば『終わり』なのかが分かりにくい。でも、手順や段取りを覚えて体を動かすことは、将来のお仕事や社会生活にもしっかり繋がっていく勉強になります」
畑の中での子どもたちを眺めていると、いつにも増して生き生きと目を輝かせながら作業をしている姿が、とても印象的でした。
「子どもたちも『目的』を実感して、普段よりずっと積極的に動けるようになりますね。それに、歩いてすぐの場所にこんなに豊かなフィールドがあることも本当にありがたいです。五感を刺激する『土いじり』は、子どもの発達にとってかけがえのない経験ですから」

🤝小さな畑で育つ、日々のつながり
そして、大沢さんが何より価値を感じているのは、子どもたちを取り巻く人との関係です。
「FC今治のスタッフさんが、作業中に子どもたち一人ひとりの名前を親しく呼んでくれるんです。そういう関係性が身近にあるっていうことがまず、嬉しいですよね」
「いつかはもっと地域の人たちも交わって、この活動が大きく広がっていったら嬉しいですね」
そう声を弾ませる大沢さん。
「きとなる」のすぐ隣で、みんなでお世話を続ける小さな畑。今日も、収穫を待つ夏野菜のそばで、子どもたちやスタッフが汗を流し、あちこちで名前を呼び合う声が響いています。
