
アートを中核とする地域交流のための居場所として、今治市内に今年春オープンした「だんだんBASEギャラリー」(今治市高市)。
今年度の取り組みとして、来島会の施設ご利用者さまにフォーカスを当てた展覧会を、シリーズで開催しています。
その記念すべき第一弾として、2025年8月29日(金)~31日(日)の3日間、市内小学4年生・越智葵さんによる初の個展『葵電機展〜好きからはじまる ぼくだけの物語〜』を開催します。会場には、“エアコンだけ”を描いた作品がずらりと並びます。
◆葵さんについて
葵さんは、市内の学校に通う10歳の小学4年生です。自閉症スペクトラム・知的障害を抱えており、私たちが運営する「放課後等デイサービス なかよし学童くらぶ」の利用者でもあります。
2歳の頃、天井のエアコンに心を奪われて以来、8年間にわたりエアコンだけを描き続けてきました。スケッチや調べもの、段ボール工作など、その表現方法は多岐にわたります。
私たちも最初は、エアコンの写真ばかり見ている葵さんを不思議に思いました。しかし、エアコンへの熱意からか、普段は自分の気持ちを言葉で伝えるのが難しい葵さんが、「エアコンの絵を描いて」と私たちに伝えてくれるようになったのです。この小さな変化をきっかけに、調べ、描き、創るという彼の学びの旅が始まりました。
葵さんの作品に向き合う時間は、彼にとって最高の「遊び」であり「学び」です。「好き」という純粋な気持ちが、文字やデジタルツールを学ぶ原動力となり、彼の世界を豊かに広げています。
◆「葵電機展」の見どころ
今回の展示では、小学校入学後の4年間に描いた作品を制作年順に展示します。さらに、幼児期の初期作品を写真パネルでご紹介し、緻密な表現力が育まれていく軌跡をたどることができます。
また、企画展のために制作した新作『大好きな食堂のエアコン』の制作過程もパネルで紹介します。食堂訪問時の写真や、葵さんの感想を通して、どのような思いで作品が生まれたのかを知ることができます。
2歳から8年間、エアコンだけを描き続けてきた葵さんのスケッチは、すでに5,000点以上に及びます。彼の「好き」という気持ちがどのように表現や学びにつながっているのかを、ぜひ会場で体感してください。
【開催概要】
だんだんBASEギャラリー展「葵電機展」〜好きからはじまる ぼくだけの物語〜
日時:2025年8月29日(金)~31日(日) 10:00〜15:00
場所:だんだんBASEギャラリー(今治市高市甲161番地3)
当日は、敷地内の駐車場をご利用ください。



◆展示会開催への思い
私たち来島会は、子どもたち一人ひとりの「好き」という気持ちを尊重し、その関心を学びや成長につなげる支援を大切にしています。療育の現場で「偏り」と受け止められがちなこだわりも、見方を変えればかけがえのない才能の芽になります。今回の「葵電機展」では、葵さんの作品や軌跡を通して、子どもの「好き」に光を当てることの価値を体感していただきたいと考えています。
また、今後も「だんだんBASEギャラリーシリーズ」として、誰もが社会とつながり、自分らしさを表現できる機会を積極的に創出してまいります。
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今後の開催予定
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2025年10月:第2回 藤原大輝展
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2025年12月:第3回 コミカルイラスト展
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2026年2月:第4回 世界の国旗展
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ギャラリー展に関するお問い合わせ
放課後等デイサービス なかよし学童くらぶ
TEL. 0898-32-2020
